社内でアジャイル開発研修を受けたので、そのままいくつか深堀りしたくなり、「スクラム」をテーマにしている SCRUM BOOT CAMP THE BOOK を読んだ。
はじめて「スクラム」をやることになったら読む本
と表紙に書いてあるように、内容がストーリー仕立てで書いてあったりマンガが差し込まれていたり、とてもわかりやすかった。
内容
本の内容は、スクラムマスターを任されることになった「ボク」を中心に話が進んでいき、その中でスクラムを実践していくというもの。 ページ数としては 250 ページほどになり、前にも書いたが挿絵が豊富だったりもするのでサクサク読める。 集中して読めば 1 日で、もしくは土日で読み終えることができそう。
最初の 20 ページは基礎編としてスクラムを聞いたことない人のための用語解説があり、今スクラムという単語を聞いた人にもわかりやすいようになっている。 残りは実践編として、ストーリーに沿ってスクラムをおこなっていく姿を見ていくもので、なんとなく概要を知っている人はこちらから入っても良さそう。
あえて書かれなかった「ふりかえり」から見るこだわり
この本にはふりかえり(スクラムとしては、スプリントレトロスペクティブ)については書かれていなかった。 終盤に差し掛かったとき「ふりかえりついては解説が無いのかな?」と読み進めていたが、なぜ振り返りについては書かなかったかがきちんと記されていて納得した。
けれど、最初の頃のスプリントレトロスペクティブは、スプリントで起きた問題に対処しようとして、問題解決のイベントになりがちになる。ボクくんたちも、そうなっていただろう。それだと本来のスプリントレトロスペクティブの姿を誤解させてしまうので、実践編では伝えなかったんだ。
本書256ページより引用
スクラムについてアレコレ詰めるのではなく、対象読者を絞った上で内容から外したあたりからも、この本がしっかり考えられた上で書かれたんだなということが実感できた。
個人的に良かったところ
活きたコラム
個人的に良かったところは 8 本のコラムだった。
- 遠慮がちなプロダクトオーナー
- インセプションデッキでチーム共通の言葉を作ろう
- 少しずつ前に進もう
- リリースレゴで「達成の積み重ね」を可視化しよう!!
- 楽しくふりかえりをするためのテクニック
- なぜこの機能を作るのか?
- コミュニティイベントを利用してチームビルディング
- タスクをみんなで寄ってたかって終わらせるスウォーミング
自分は本のコラムを結構飛ばしてしまうことが多いのだが、「リリースレゴで「達成の積み重ね」を可視化しよう!!」がとても面白く、そのまますべてのコラムに目を通した。 先人たちの知恵や工夫が載っており、片面 1 ページの内容ではあるのだが、スクラムを上手に回していく潤滑油のようなものを感じた。
参考文献が豊富
「理解を深めるために読んでほしい文献」として 14 冊の本が紹介されていた。 この本の先にある本として、テスト駆動開発など有名な本が並んでいて参考になった。 スクラムを実践の中で使える機会はまだなさそうだが、ふりかえりの項目が気になるので紹介されているものの中から手にとってより深く入ってみようと思う。